より多くの会話の機会を得るために

Think Tank は、クラス中の討議を通じて各自が英会話の技能を発揮する場を提供します。 「英会話を習得するにはどうしたらよいか？」という質問にたいして、「２、３年間英語圏に留学すればよい」と無責任な返答をする人がいます。しかし、日本で仕事をしながら海外出張に必要な英語力を備えたい、あるいは留学する前に英会話の能力を高めておきたい、といった場合は日本にいながらなるべく英語を使って話す機会を増やさなけれなりません。 英会話の勉強法には、ラジオ・テレビ番組、テープ・ビデオ教材、新聞・雑誌の購読といろいろあり、どれも大切です。ただし、どれだけ語彙を増やし文法や文化について学んでも、実際に話す練習をしなければ会話の能力は高まりません。 自分の考えを実際に声に出すことで、脳からあご、舌、唇への神経回路が訓練されていくのです。とは言うものの、会話能力を向上させるには独りでスピーチの練習をするだけでは不十分です。「私は通信教育で柔道初段だ」って言われても、困りますよね。どう反応するかわからない相手に、機敏に対処することが実戦では求められるのです。 最近は、ネイティブスピーカーの講師が担当することを売り物にする英会話学校が多いですが、会話の練習であれば必ずしもネイティブスピーカーを相手にしなくても構いません。一定レベル以上なら、日本人同志でもよいのです。常にプロのコーチに練習をみてもらう必要はありません。パスでもキャッチボールでも、基礎練習は生徒同志でよいからなるべく数多くこなして、本番に備えることです。

より深く読むために

Think Tank では、毎回英字雑誌１ページ程度の分量の記事について、２時間かけて討議します。記事は前回に配布されるため、準備の時間もあります。このことが、記事や討議の中で使用される単語や言いまわしを印象深いものにし、語彙を増やすことに役立ちます。 Reading は、英会話の重要な練習方法の一つです。しかし普通は、通勤中に英字新聞を読んだり、週刊誌の記事で気に入ったものを拾い読みしたりすることが多いでしょう。より多くの英文に触れる「多読」は、辞書を用いることなく文脈から単語の意味を想像するという重要な練習になります。 一方、辞書を用いることで、単語の正確な意味や用法を把握することも重要です。英会話学校の授業でもチケット制が主流になり、相当量のｒeadingを宿題を課して授業に取り入れるのは難しくなっています。そこで　Think Tank は、「精読」の機会を与えてくれます。１週間に１ページだけでも、じっくりと読んでみるようにしましょう。

より広く知るために

Think Tank では、政治、経済、科学、宗教など、さまざまな記事をとりあげます。各自の専門分野については、知識も英語での表現方法も既にお持ちでしょうし、日常の業務や学会など習得する機会もあるでしょう。ふだん関心のないことは、あえてクラスの題材として学習することで、知識を得るきっかけになります。 他国で何が起こっているのか、何が関心の的なのか、また他国は日本をどう見ているのか。こうしたことを知っておくことは、英語でのコミュニケーションを豊かにする上で必要です。 またThink Tankには、さまざまな年代・企業・分野からの参加者がいます。討議では、異なった意見に出会うことでしょう。ある人にとって「あたりまえ」のことが、他の人にとってはそうではないことが日本人の間ですらあるのですから、異国間のコミュニケーションではなおさらです。 そこでは、相手の考えを認めて尊重する態度が必要です。「認める」ということは、必ずしも「支持する」ということではありません。そうした考えを持つ一個の人間の存在を認め、その人格を尊重することです。さらには、なぜそうした考えを持つにいたったのかという背景、文化をも考えることが大切です。

参加するクラスへ

Think Tank は、参加者によって作られるクラスです。英会話能力の向上という共通の目的で集まった集団が、各自の能力を最大限に発揮した時、最大の成果が返ってきます。これは、授業料を支払って「講師が授け生徒が授かる」という典型的な日本型教育スタイルとは、異なった概念です。 現在、非営利活動が盛んになってきています。そこで共通することは、与える者が与えられ、与えられる者も与える立場になることです。 Think Tank も、非営利活動です。授業料はありません。ただし、しっかりと予習をしクラス中で積極的に発言をしてクラスに貢献すれば、それが「授業料」と言えるかもしれません。高いかもしれませんが得るものも多く、払う価値は十分あると思います。

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